シルクの靴下

あしながおじさんが好きでした。
小説の中に出てくるものって、どうしてあんなにキラキラしてるんだろうって思います。
例えば、あしながおじさんの中に出てくる、シルクの靴下。初めて読んだとき、シルクの靴下って響きに、きっと、お姫様が履くような靴下なんだってワクワクして、母に、シルクの靴下が欲しい!っておねだりをした記憶があります。それで、高校生のときにあしながおじさんを読み直して、今度こそ、シルクの靴下を手に入れようって思いました。でも、インターネットで検索して出て来たシルクの靴下は私が想像していたものとは全く違って、お姫様とは程遠く、生活感に溢れた全く可愛くもなんともない実用的な靴下で、とてつもなくがっかりした記憶があります。もちろん、国も時代も違うのであしながおじさんに出てくる靴下は、インターネットで検索してでてきたようなものとは違うのだろうと思います。でもきっと、あしながおじさんで描かれていたシルクの靴下と全く同じ姿形のしているものを現実で見つけたとしても、がっかりするんだと思います。物語の中にでてくるものって、現実よりも何百倍もきらきらしていて、現実にあるものとは全く違うもののように感じます。

 子供の頃、いつか私はファンタジーの世界だったり、なにかの物語の世界に行けるんだって本当に思ってました。でも、いつまでたってもいけませんでした。そのせいか、いかにも現実って感じのする生活感のあるものが大嫌いで。1番嫌いなのは、スウェット姿でTSUTAYAに出掛ける人です。
 でも、さいきんやっと、私は物語の世界にいくことは出来ないんだってわかりました。わかってからはなんとなく、いかにも現実。みたいなこともちょっとだけ好きになれてきたような気がします。例えば、友達とコンビニでカップラーメンを買って、お昼に食べたり。そんな、好きになれる現実が増えてきました。これが大人になるってことなのかな。

 私はジュディにはなれないけれど、まだまだ物語の世界にあるきらきらしたものに敵う現実は見つけられていないけれど、いつか、物語よりも何よりも、今ある現実が好きになれるといいなって思います。

 

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劇団綺畸2016年度新人公演

『無題、あるいは歪曲するガラスケースの寓意。』

作 中石海   演出 野口瑞貴

3/18(土) 19:00

19(日) 14:00/19:00

駒場小空間

全席自由席

予約不要・カンパ制

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